クロス&フィニッシュ(3エリア分担)
ペナルティエリア内での「役割分担」を明確にし、クロスからのゴール確率を最大化するドリルです。
分析と理論的背景
多くのアマチュアチームでは、クロスが上がると全員がボールに向かって走り、結果的に3人が同じエリアで混雑します。これは非効率です。
このドリルは、3つの明確なエリア(ニア・ファー・マイナス)に役割を分担することで、以下の効果をもたらします:
- スペースの最大化: 3人が異なるエリアをカバーすることで、GKとDFが全てをカバーできない。
- 予測可能性: チームメイトの位置が予測できるため、クロスの精度が上がる。
- こぼれ球対応: マイナスエリアの選手が、DFに当たったボールを確実に拾える。
統計データ
プレミアリーグ 2022-23シーズンの分析:
| エリア | ゴール率 | シュート数 |
|---|---|---|
| ニアポスト | 35% | 最多 |
| ファーポスト | 20% | 中程度 |
| マイナス(PK付近) | 45% | 最多 |
結論: マイナスエリア(ペナルティスポット付近)が最もゴール率が高い。
ハーランドの動き
マンチェスター・シティのアーリング・ハーランドは、クロスに対して以下の判断プロセスを持っています:
- クロスの軌道を見る: 低い→ニアへ走る、高い→ファーへ移動
- DFの位置を確認: DFが前にいる→背後を取る、DFが並走→ニアに切り込む
- GKの位置: ニアに詰めている→ファーへ、中央→ニアへ
このドリルで、その「読み」を養います。
グアルディオラの哲学
「クロスは、エリア内に『人数』ではなく『役割』を入れるべきだ。3人いても全員が同じ場所にいれば、1人と同じだ。」 — ジョゼップ・グアルディオラ
このドリルは、まさにこの哲学を体現しています。